「JUST Suite 2008 つながるレビュー」第五回です。
第四回:これ、待ってました!(2008/2/27 (水))
第三回:ATOKなら日本語機能が◎(2008/2/21 (木))
第二回:一太郎なら日本語機能が○(2008/2/14 (木))
第一回:バージョンアップ! 一太郎2008(2008/2/ 8 (金))
「JUST Suite 2008」には、「一太郎2008」「ATOK2008」「三四郎2008」「Agree 2008」「花子2008」「Shuriken 2008」「JUST PDF」と7つのソフトが入っています。今回は、その中から表計算ソフト「三四郎2008」・プレゼンテーションソフト「Agree 2008」を取り上げます。
使いやすさの「三四郎」
新しくなった「三四郎2008」いちおしは、やはり「カード型編集」機能の搭載です。高解像度の大型ディスプレイでも、一行が長くなってしまったときには、スクロールも大変ですが、データを一度に見渡すことができないというのが困りがち。これまでは行や列を「固定」して入力していくしかなかったのですが、「カード型」に切り替えれば、データの入力作業も快適。データ確認も楽になり、ますます使いやすくなったところがオススメです。
また、「画像パレット」を使って、イラスト類を簡単に選ぶことができるようになったのも便利。印刷物として利用するには、やはり見た目も必要ですから、カンタン操作で画像を選べる使いやすさが一番。付属するイラストなどは、日本ならではのテイストですから、このあたりも私が三四郎好きになるポイントです。
評価:「カード型編集」に座布団5枚 ◆◆◆◆◆
ここから先は、三四郎2008の新機能ではありませんが、私が三四郎を使い続ける理由をいくつかピックアップして紹介します(初代の三四郎から使っています)。
・関数を日本語で入力することができる(ATOKとの合わせ技)
日本語のタイピングには自信があるのですが、英語が苦手だったせいか、アルファベットを入力するのが極端に苦痛です。日本語でやりたい機能を入力し、ATOKの省入力候補から選択すれば、いちいちアルファベットでうろ覚えの関数を入力する必要はありませんし、関数機能を確認して、正しい関数を使うこともできます。ダウンロードから[ 登録特典ツール一覧表示サービス(ご登録ユーザー様向け) ]にいき、「三四郎ワークシート関数入力辞典 for ATOK」を入手する必要があります。
・兆億万 第一四半期など日本の商習慣にあった単位系が利用できる
前述の付属画像もそうですが、やはり日本ならではのものがいちばんですね。
・印刷しやすい
表計算ソフトは、画面上でデータを変更しさまざまな結果を動的に出すことにも意義があるのですが、現状では、その結果を印刷物として配布することが多くあります。そんなとき、三四郎なら一太郎同様の印刷スタイル設定が簡単にでき、プリンタから用紙が出てきてから「あ、隅が切れている」などということもありません。三四郎2008では、「印刷倍率を用紙にあわせる」を使えば、さらに簡単!
・罫線が引きやすい
これまた一太郎同様、罫線機能がわかりやすく、鉛筆と消しゴムで作業しているかのように思い通りの作表ができます。
・今、入力後にどちら方向にカーソルが動くようになっているのか、画面で確認できる
データ入力を横方向に進めていきたいのか、下方向にしたいのか、カーソルの動きが今どちらに設定されているのかが、画面左下部分に表示されているので確認しやすく、また、この部分をクリックするだけで、移動方向変更も簡単なのが、とても便利。
・住所録に、郵便番号と住所を同時に入力できる
「第三回:ATOKなら日本語機能が◎(2008/2/21 (木))」で少し触れた、「作表済みの住所録に、郵便番号と住所をいっぺんに入力する技」がこれ。[ツール(T)-ふりがな/ATOKモード(F)]というコマンドを利用するので、このコマンド名から「郵便番号と住所の同時入力」という機能を推測しにくく、やり方がわからないユーザが出るかもしれないのが難点。ATOKの郵便番号辞書との合わせ技なので、単体の三四郎を購入した場合には、気をつけて。上記機能の応用として、というか、本来の機能として、自動的にふりがなを隣のセルに入力できるのも便利。
評価:三四郎の“日本”力に 座布団5枚 ◆◆◆◆◆
初心者向けの解説本「三四郎のすべて」がジャストシステムから出版されているのですが、ある程度慣れてきた人が、もっと詳しい機能を知りたいときや、関数やマクロの知識を得たいときなど、参考にする書籍がありません。ヘルプや、ジャストシステムサポートのサイトにあるQ&Aを頼りにすることになります。が、マクロについてはサポートサービスの対象にならないこともあり、自分の技量だけでは行き詰まってしまったときに困ってしまいます。私は、インターネット上で「三四郎」に関する個人サイトを開設している方々のページを見て参考にさせていただいています。


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Agreeでプレゼンテーション
先代の「JUST Suite 2007」から登場した、「Agree(アグリー)」のオススメポイントは、三四郎同様、「テンプレート類が日本人好み」であることにつきます。ただし、「Agree」はHansoft社製のソフトウェアを、ジャストシステムが日本向けにカスタマイズしたソフトであって、一太郎や三四郎のように、ジャストシステムが開発したソフトではありません。しかし、単純に日本語化しただけではなく、部品やイラストなどは、「和風」のものが多数搭載されていて、「日本での使用」を強く意識した作りとなっています。特に、プレゼンテーションソフトは「他人に見せるため」のソフトですから、見栄えがよいことが最重要ポイント。和テイストの親しみやすい表現力で、プレゼンテーションを引き立てることになるでしょう。
とはいえ、実のところ、私自身は実生活でプレゼンテーションソフトを使うシーンがほとんどありません。こうしてソフトウェアの評価をするときに使う程度。自宅でパソコンに向かって原稿を書き、打ち合わせはメールでおこなう私の仕事形態では、プレゼンをする場がないのです。ただ、たまにパワーポイントで作成されたファイルを受け取ることがあるので、そんなときにはAgreeで開いて見ます。「プレゼンテーションソフトを使うか否か」は、その人の仕事内容によって違いますので、日常生活でも利用されることの多い一太郎や三四郎などと比較すると、「使わない人にとっては、あまり必要のないソフト」かもしれません。余談ですが、4年前に大学で卒論を書いていたとき(社会人大学生をしていました)、卒論発表会のプレゼンテーションは一太郎でやりました。[表示(V)-スライド(S)]を使えば、画面がそのままスライドショーになりますから、ページ切り替え効果などは無いものの、フォントを工夫して効果的に画像を配置した文書ファイルを作っておけば、簡単なプレゼンは一太郎でokです。
現時点では、はっきりいって、Agreeのプレゼンテーションソフトとしてのシェアは低いです。しかし、PowerPointと互換性があることと、「ビューア付き配布」機能を使ってプレゼンテーションソフトを持っていないユーザにデータを送ることができるので、もし急にプレゼンが必要になったときなど、使ってみるのもよいかもしれません。
あと、三四郎同様、Agreeについても、解説書籍がジャストシステム発行のものしかないというのが、脱・初心者を目指すユーザにとって少々辛いところ。


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評価:Agreeの(私にとっての)必要性に座布団2枚 ◆◆◇◇◇
次回レビューは、3月12日(水)です。 (3/31 リンク更新)
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