2008年2月8日、やたらと2と8が目立つ今日、「一太郎2008」をはじめとする「JUST Suite 2008」が発売になりました。近年、2月の第二金曜日がバージョンアップ製品の発売日でしたから、2・8並びにこだわったわけでは無いでしょうが、なんだか、今日が「特別な日」みたいな印象も。
そんな中、ジャストシステムからの依頼で、「JUST Suite 2008」のレビューをすることになりました。週1回ほどのペースで、8回にわたって、ここ私のブログ内で書いていきます。カテゴリをJUST Suite 2008 つながるレビューとして抽出できるようにしておきますので、皆様のご参考になれば幸いです。
第一回のテーマは、「一太郎」。特に「フェーズ」機能を取り上げます。
「フェーズ」機能を知っていますか?
「フェーズ」機能そのものは、一太郎2006から搭載されています。画面左下、「シート」タブの下に表示されたアイコンが目印です。一太郎2007に比べ、色鮮やかで目立つ表示になりました。
今、どの作業フェーズなのか、他にどんなフェーズがあるのか、とても分かりやすくなったのが◎です。でも、どうせなら、エディタフェーズ・ビューアフェーズにも、一ひねり欲しかったなぁ。他の3つのフェーズに比べて、アイコンから判断はしやすいフェーズであるけれど。
評価:「全体のわかりやすさ」に座布団4枚 ◆◆◆◆◇
(評価のポイントごとに座布団進呈:5枚で満点です)
「フェーズ」機能が搭載される前、まだまだマシンの性能が低かった頃には、[ctrl]+[G]キーを使って、「ドラフト編集画面」に切り替えて入力し、「イメージ編集」画面でレイアウトを整え、仕上がりを「印刷イメージ」で確認したものでした(メニューからたどる場合には、[表示(V)]の中にあります)。これらは、見た目と作業スピードが変わるだけですが、「フェーズ」を切り替えた場合には、そこで使える機能も変わってきます。今その作業を行う上で、今必要な機能が前面に押し出されてくるという感じ。
評価:「便利さ」に座布団5枚 ◆◆◆◆◆
自分的に便利だと思うのは、「ビューア」フェーズの[ツール(T)-スクリーンショットモード(T)]です(一太郎2008の新機能ではありません)。これは、作成文書の一部をwebに載せるときに便利です。テキストそのものを貼り付けるのと違って、レイアウトが保持できることと、テキストのコピーペースト(流用)が防止できることの2つが利点。なお、一太郎2008では、用紙全体のスクリーンショットも簡単に取れるようになったので、さらにオススメ。一度ぜひ使ってみてください([ファイル(F)-他形式の保存/開く(H)-画像に変換して保存(G)]を使うという方法もありますが)。
評価:「オススメ」に座布団5枚 ◆◆◆◆◆
このように、メールアドレスを画像化しておけば、ロボット的にアドレス収集をかけてくるスパム対策になります。HTML機能だけではうまく表現できない罫線などのレイアウトも、一太郎で作成すれば、思い通りに貼り付けられます。
また、他人が作成した文書を開くときには、デフォルトでは「ビューア」フェーズになるのも便利。参考として見るだけにしたいことも多いですから。かといって、編集しちゃダメというわけではありません。特に[ESC]メニュー派に嬉しいのは、[ESC]キーを押すだけで、基本編集フェーズに切り替わるところ。プルタウンメニュー派でも、何か文字キーを押せば、フェーズ切り替えするかどうかの確認メッセージが出るので、心配はいりません。
評価:「オススメ」座布団4枚 ◆◆◆◆◇
「アウトライン」の使いこなし
5つあるフェーズのうち、一番ややこしいのが「アウトライン」フェーズだと思います。本来、見出しやスタイル、ランクなど、文章を構造的に構築するには、とても便利な機能ですし、これらの機能を理解している人にとっては、とても便利なフェーズです。ただ、これらの機能に慣れていない人が、ナレッジウィンドウやツールボックスを頼りにアウトラインフェーズを初めて使ってみようとしても、どこをどう操作すればよいか、直感的に分かりづらいような印象をうけます。どこをどうすればよいのか、今の私にはよい考えがうかばないのですが、何かもっと、手がかりが欲しいように思います。
評価:「わかりやすさ」には座布団2枚 ◆◆◇◇◇
でも、「スタイル」などの機能を使いこなしてきた人は、このフェーズを駆使することで、文書作成作業の効率アップにつながります。知人も、文章を書きながら、次の章のタイトルを思い浮かんだら、書き留めてすぐに「スタイル」で「見出し」に設定したり、文章の構成を入れ替えたりと、「思考」を支援してくれる「アウトライン」フェーズが手放せないと言ってます。
「エディタ」フェーズへの要望
「エディタ」フェーズでは、折り返しの文字数を簡単に変更できるアイコンがコマンドバーに新たに設置されたのが◎。テキストエディタとしても、自分の手に慣れ親しんだ一太郎を使いたい私には、とても便利な機能です。ただ、一つだけ不満が。これは、エディタフェーズだけで起こるわけではなく、基本編集フェーズでも同じなのですが、「テキスト形式保存」をするときに、テキストファイルの文字コードが「シフトJIS」「JIS」「EUC」「Unicode」の4種類しかないことです。もちろん、一般的には、この4種類があればよいのですが、最近私が利用し始めている「xfy」では、文字コードを「UTF-8」にしなければならない場面があって、せっかく一太郎のエディタフェーズで作業したものを、Windows付属のメモ帳に移して「UTF-8」で保存する羽目になってしまったのです。このあたり、一太郎2008で対応してくれたらなぁと思っていたので残念です。
評価:「使いやすさ」に座布団3枚 ◆◆◆◇◇
つらつらと書き連ねて来ましたが、皆様のファーストインプレッションはいかがでしょうか?
次回レビューは、2月14日(木)です。 (3/31 リンク更新)
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エディタフェーズは仰るとおりにUTF-8に対応して欲しかったですね。今からでも。あと、数式作成のツールが1997からバージョンアップされないのもショックですね。別売のカルキングでしのいでますが、文書の共有相手のほとんどがカルキングなど持っていないので必然と校正担当になります。
投稿情報: delta | 2008年2 月10日 (日曜日) 10時25分
だから駄目なんだジャストシステム。せっかくナベッチのブログができて、ジャストモアイの復活かと喜んでいたのにもう閉鎖。
OCRソフトを購入したはいいが、一太郎の新しいバージョンには対応していない。そういうことを繰り返しているから腹が立つ。ドクターマウスのような完成度の高い製品を出しながら一方ではこんなことでマイクロソフトに後れを取る。腹立たしい限りだ。
ナベッチのページには古くからの一太郎ファンが群れているではないか。そんな一太郎ファンを大切にしないような姿勢ではあきまへん。
モアイで育った僕がジャストシステムに見切りをつけようと思い始めている今日この頃・・・。
投稿情報: torazo | 2008年2 月11日 (月曜日) 00時23分
>delta さん
「JS数式作成3」のみならず「JSフォントエフェクト2」「JS連続印刷2」など
など、付属ツールがたくさんあって、どれも便利なのですが、あまり表に出な
いといった感じですね。一太郎本体だけでなく、こうした周辺部分もバージョ
ンアップしてくれるといいですね。ぜひお願いします>ジャストシステム。
>torazo さん
私も「JUST MOAI」で育ちました(「JUST MOAI」は、ジャストシステムが出版
していた、ジャストシステム製品ユーザのための雑誌です)。最初に買ったソ
フトが一太郎dashで、そこに同封されていた「JUST MOAI」の案内を見て惹か
れ、ありったけのバックナンバーをも取り寄せて読みふけったものです。終刊
は本当に残念でした。
ドクターマウス、社会人兼大学生をしていた頃、主に英語の予習に使っていま
した。今もインストールしてありますが、出番がすっかり無くなりました。
web連携のオンライン辞書の時代になってきたのかも。
投稿情報: 木下由美 | 2008年2 月14日 (木曜日) 00時00分